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「仕手株」って何かご存知ですか?
投資家の方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。また、株についてある程度知識のある人から「仕手株には気を付けろ」などとアドバイスを受けたことのある人もいるかもしれません。
では、「仕手株」とは一体何なのでしょうか?
ここでは、その仕組みや特徴、危険性などを紹介していきます。
「仕手株」って何?
仕手株とは簡単に言うと“大金を持ったプロ集団によって意図的に株価の操作が行われた株”のことを指します。
具体的には、多額の資金を持ったプロ集団(仕手筋)が特定の銘柄に対して意図的に大量の売買を行い、あたかも活発に取引きが行われているかのように装って一般の投資家を誘い込み、株価の急騰・急落を引き起こすために使われる株のこと。
つまり、仕手筋が投資家たちを罠に嵌めて大量の資金を得るために利用する株のことを「仕手株」と呼びます。
「仕手筋」と呼ばれる人物や集団は、仕手株を利用して通常では考えにくい株価急騰を意図的に演出することによって莫大な利益を得る仕組みとなっています。
仕手株の特徴としてまず最初に挙げられるのが「株価の急騰・急落」。
これは個人投資家にとって短期で利益を得るチャンスでもある反面、致命的な大損を被る可能性も高まります。
ある程度ベテランの投資家でも仕手株には手を出さないのが賢明だと言われていますが、あえて仕手株で儲けようとする投資家も少なくはないようです。
では、仕手筋は一体どんな基準で仕手株を選び、どういった仕組みで株価の急騰落を引き起こすのでしょうか?
意図的な急騰落が起こる仕組みは?
仕手筋はなぜわざわざ仕手株を仕込み、意図的に株価の騰落を引き起こすのでしょうか?
一番はやはり“莫大な利益を得るため”です。しかし、一般的な個人投資家には意図的な急騰落の引き起こし方なんて想像もつかないと思います。
一体どうしたら意図的な急騰落によって莫大な利益を得ることが出来るのでしょうか。
ここで仕手筋が利益を得るまでのプロセスを見てみましょう。
② 株価が安いうちにある程度の株数を買い付けた後、あえて目立つように派手に買い付けを行う
③ 株価が上昇しているのを見た投資家がトレンドに乗って儲けようと誘い込まれ、高値で買ってしまう
④ 買いが買いを呼び、株価はさらに急上昇!
⑤ 仕手筋が保有株を一気に売りに出し、高値で大きな利益を掴む
⑥ 大きな売り注文が入ったことにより、株価は一気に元の適正価格まで戻る
このような仕組みで意図的な急騰落が起こります。
仕手筋は高値で売り逃げして大きな利益を掴むことが出来ますが、何も知らずに仕手株を高値掴みしてしまった投資家たちは、こうしてこの先上昇する見込みのないボロ株を掴まされる羽目になってしまうのです。
「仕手株」として狙われるの株の特徴は?
では仕手筋は一体どのような基準で「仕手株」の目星をつけるのでしょうか。
狙われやすい株には以下のような特徴があります。
・業績の良くない銘柄
・長らく低値圏を横這いで推移している銘柄
・発行株数の少ない銘柄
なぜこれらの銘柄が狙われやすいのかというと、仕手筋にとって、誰も欲しがらない株(いわゆる“ボロ株”)の方が都合が良いからです。
長らく業績不振が続く株は、投資家なら誰も買い付けようとは思いませんよね。
そういう株は多少株価が上がったところで誰も原因が分からないので、儲けを上げるために安い株を大量に買い占めなければいけない仕手筋にとっては都合が良いのです。
こうして大量に買い占められた安い株は、仕手株として利用されてしまいます。
仕手株の見分け方
では、仕手株を高値掴みしないためにはどう見分けをつければ良いのでしょうか?
ある程度知識も経験もある投資家なら仕手株の見分けがつくかもしれませんが、あまり経験のない投資家はまんまと仕手筋の罠に嵌ってしまうかもしれません。
まず大前提として、仕手筋は名の知れた大企業や有名企業は狙いません。
多額の資金があるとは言っても大手企業の株価を操作出来るほどの大きな力はないからです。
また、大企業は情報をオープンに公開している場合が多いため、とくに好材料があるわけでもないのに株価が上がれば多くの投資家たちが疑問に思い、すぐに仕手株だと分かってしまいます。
こういった理由から、株価が高くて流通量の多い大企業を仕手株にすることは、仕手筋にとって非現実的でありデメリットしかないのです。
そこで仕手株として狙われるのが、先述した“ボロ株”といわけです。
見極めるポイントは以下の通り。
・理由がないのになぜか少しずつ出来高が増えている
・理由がないのに急に値上がり率上位にランクインした
こうした現象が起こり始めたら仕手株の可能性が非常に高いです。
少しでも「あれ?怪しいな」と思ったらこれらの条件に当てはまるかどうか確認してみて下さい。
仕手株は合法?違法?
先に結論を言うと、仕手株は極めてグレーゾーンな投資法です。
しかし、傍から見て「これは仕手株だ」と確実に断言出来る場合や、仕手筋本人が仕手株であることを公言した場合などは法令違反で逮捕されます。
投資家ならご存知だとは思いますが、株式投資では法律により“相場操縦行為”が禁止されています。
仕手株もこの“相場操縦行為”にあたる場合があり、違法行為と判断されて逮捕者が出た事例もあります。
しかし現実的に、仕手株を特定する手段や、何を以て仕手株だと判断するのか明確な基準がないこと、また、取引きとしてちゃんと売買が成立していることなどから、違法だと断言することは非常に難しいとされています。
外側からの判断だけでは「これは仕手株なのでは?」という予測にしか過ぎず、断言出来るほどの判断材料にならないのが現実なのです。
また、仕手株を違法だとする声も少なくない反面、好んで仕手株に投資する投資家が多いのも事実です。
一般の投資家側からも仕手株を判断することは非常に難しいため、知らず知らずのうちに手を出してしまっていることもあるかもしれません。
その場合仕手株を買ってしまった投資家は、その結果利益を得ようともちろん違法にはならないのでご安心下さい。
仕手株のリスク
仕手株のこわい所は、どのタイミングで仕手筋が売り逃げするかは仕手筋にしか分からないということです。
何も知らずに高値掴みしてしまった人は大きな損失を抱えることになります。
まだまだ上昇するだろうという見込みで買った瞬間、一気に下がるなんてこともありえるのです。
ゆっくり上昇した株は下がる時もゆっくりなので損失が膨らむ前に損切りをしてしまえば良いのですが、仕手株は短期間で急騰・急落します。
下手したら数日後、もしくはたったの数分後には急落で大損失…なんてことも。それで泣きを見た投資家も多いことでしょう。
仕手筋のほとんどはプロの投資家集団です。
投資家の心理を上手く読み取り、買いと売りのタイミングを緻密に計算しています。
一般の投資家を食い物にしようと綿密に練った罠を仕掛けて待ち構えているので、一般的な個人投資家にはその罠をかいくぐるのは至難の業でしょう。大抵の場合は仕手筋の方が何枚も上手です。
それなりに仕手株の経験を積んだ自信のある投資家でない限り、仕手株と思しき銘柄は見過ごすのが賢明だと言えるでしょう。
仕手株はハイリスクと同時にハイリターン
上記のように仕手株には高いリスクが伴いますが、それでもあえて自ら仕手株にチャレンジする投資家も多くいます。
その魅力はやっぱり夢のような“ハイリターン”。
上昇し始めたタイミングで上手く仕手株を買えた場合、タイミングを見誤らなければ天井付近で売りに出すことも可能です。
そうなると短期間で何百万、何千万と利益を手に出来る可能性もぐんと高まります。
「一夜にして億万長者」…投資家にとっては夢のような話ですよね。
しかし先述したように、相手はこちらより何枚も上手のプロの投資家集団。
仕手株の経験のない投資家はまんまと食い物にされてしまうのがオチです。
それでもどうしても手を出したいという人はきちんと仕手株のリスクを理解し、自己責任でやりましょう。
SNS上での情報には注意を
我々の日常生活に大きな影響を及ぼすようになった「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」。
ネット環境さえあれば世界中どこにいても誰でも利用可能な便利なツールです。
しかし、その便利さを逆手に取って悪用する人もいます。
使い方さえ間違えなければ非常に素晴らしいものなのですが、ここ数年は日本でもSNS関連の事件が多く目立つようになって来ました。
SNSの普及に伴い、近年、市場関係者の間で話題となっているのが「ネット仕手筋」というもの。
これはどういうものかと言うと、“SNS上で影響力を持った投資家が自身の信者に株を買わせて株価を操作し、利益を搾取する”というものです。
具体的な流れはこんな感じになります。
② そのSNSがだんだんと拡散されるようになり、多くの人の目に触れる
③ するとその投稿を信じた一部の人々が偽カリスマトレーダーの「信者」と化す
④ ある程度信者が増えると、時価総額と流動性の低い小型株の操作が可能となる
⑤ 仕手を仕掛けたい小型株を買い集める
⑥ その小型株をあたかも「大口が買い集めています」といった内容をSNSに投稿する
⑦ その投稿を信じた信者たちが小型株を購入
⑧ 例によって株価は急騰!
⑨ 偽カリスマトレーダーは売り逃げして莫大な利益を得る
SNSを用いた現代ならではの手法ですね。
全く無名の人物でも簡単に影響力を持ててしまう今の時代、SNS上でのこういった行為には注意が必要です。
こういう人物の場合、検索をかけても一切個人情報が出て来ないのが特徴です。
本物のカリスマトレーダーであれば多少なりとも過去の実績や経歴が出て来るものです。
情報が一切出て来ない場合、怪しんだ方が身のためでしょう。
皆さんも一度は見かけたことがあると思います。
SNS上でやたらとカリスマトレーダーっぽく振舞っているけれど、どこの誰だか分からないし投稿内容もどこか胡散臭い人。
そういった人を見つけた場合は、発信されている情報を鵜呑みにせずまずは自分でしっかり調べることが大切です。詐欺師同然の偽トレーダーには引っかからないように気を付けましょう。
ちなみに最近では、”老後2,000万円問題”やコロナの流行などといった、現在の経済的な不安から将来に備えて株式投資を始める人が増えてきているようです。 そんな中、近年密かに話題を集めているのが「投資顧問サイト」。 将来のために投資を始めたいけど、株式投資ってなんだか怖い、どの企業(銘柄)を買えばいいのかわからない、といったような株初心者の方のために、投資のプロが投資情報の提供や売買フォローなど、投資に関するあらゆるサポートをしてくれるお役立ちサービスになります。 とはいえ今は投資顧問サイトの種類もかなりたくさんあり、どこの投資顧問が良いのか判断するのはなかなか難しいところ。
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